自閉症を持つ人、アスペルガーの人にとっては切っても切れない問題「こだわり」ですが、うちの長女も例に漏れずこだわり魔人です。こだわりは時に生活を不自由にし、本人も周りも身動きが取れないくらいの支障を起こしがちですが、私は娘を見ていて、「精神の安定とこだわりとが大きくかかわっているのかな?」と思う事例がありました。今日は、それについてまとめていきます。
アスペっ子のこだわり「丁寧すぎるノート」
うちの12歳は、こだわりが激しいです。こだわりの症状はいろいろありますが、最近まで私の悩みの種となっていたのは
異常なまでに丁寧にノートの文字を書く
というものです。先生が1時間の授業で黒板に書くものを、彼女の気が済むまで丁寧に書くと5時間はかかってしまう!という状態です。学校のプリントが書き終わらず機嫌を損ねて手を引っかきまくったり、先生に授業を一時中断してもらって何とか書き写したり。
周囲も困ってしまっていますが、何より本人が困っているように見えました。
楽になるように、「ほどほどの丁寧さで充分なんだよ」と私は助言をするのですが、その助言が逆に癇に障るようで、
「気が済むまで完璧にきちんと書かないと気持ちが悪い。自分が自分じゃなくなっちゃう!!」
と彼女は主張するのです。良かれと思って助言しても、彼女の人間性自体を否定することになりかねないのかと私も不安になり、とても悩んでいました。
新学年が始まり、快調なスタート
9月に現地校の新年度がスタートしました。今年はどうなることかと私はやきもきしていたのですが、ありがたいことに彼女のストレスは去年よりかなり少ないようでした。
春に、IEPミーティングでお願いしたことが聞き入れてもらえたためか、色々なことを配慮してもらえています。例えば
- 人混みがひどい廊下を歩かなせない。
- 彼女の出席する授業には、うるさいタイプの子がとても少ない
などなど。。。かなりの配慮をいただいていて、感謝してもしきれない状態です。おかげで彼女は、前年度より大幅に安心して学校生活を送ることができています。
雑に文字を書けるようになった!!!
最近、宿題を家で見ていて驚いたのは、アスペっ子がノートをずいぶん早く書くことです。今までならば、1行に10分はかかってしまったところ、2分程度で書けているのではないでしょうか!
そして終わった後で、
「うわー最悪、雑だ!まあいいか」
と言っているのです!雑であるノートを受け入れて、まあいいかと思えるなんて、なんという成長だ!と私はとても嬉しくなりました。
この経過を見ていて思うのは、心が安定してくると、こだわりが薄れてくるのではないか?ということです。ノートだけでなく、他の場面でも娘のこだわりが少し緩和しているように感じる瞬間が、多々あるのです。
こだわりって彼女に生まれつき備わっているどうしようもないもの、という認識で生活してきたけれど、彼女の精神の健康状態と連動しているのだなあと感じています。