私の住んでいる地域では、新型コロナウイルスの蔓延により、2020年の3月半ばより、学校が閉鎖しています。
それから2週間くらいたって、「online learning」がスタートしました。
実際にアメリカの公立学校に通う中学生や高校生(うちの娘たち)が、どのような学習を行っているのか、紹介してみます。
授業はZoom Meetingで!
先生が授業をする時には、Zoomを使います。
Zoomは、オンラインで会議などを行うために作られたアプリです。パソコンからでもスマートフォンからでも使うことができます。
Zoomを使うメリット
Zoomを使った授業を観察した結果、Zoomは、スカイプなどのテレビ電話よりも、より授業に向いたシステムであると思いました。
その理由は次のようになります。
- 先生の顔と資料を別々に表示できる。
- 主催者のパソコン画面をそのまま全員に見せることができる。
- 生徒全員の顔を表示できる。
- 参加者1人1人が、マイクとカメラのオン・オフを選べる。
授業の頻度は?
今のところは、どの教科も、週に1回のオンライン授業を行っています。
1つの授業は50分と決められていますが、実際にはもっと早く終わるクラスが多かった印象。
まだ実際に授業が始まって日も浅く、先生たちにも試行錯誤の様子がうかがえます。
授業の様子は?
今までの子どもたちの授業を横で見ていた感じでは、先生が教科の内容を解説するような「いわゆる授業」は行っていません。
- オンラインの教材の使い方の説明
- やるべき課題を具体的に指示
- 軽い雑談、ペットを披露(?)
という感じでした。
今後、授業が安定してくれば、そのうち「いわゆる授業」に近づいてくる可能性はあるかなぁと思います。
生徒数の少ないクラスでは、生徒が自慢げにペットのギニーピッグを見せているような場面もありました。学校が閉じることで絶たれてしまった交流を、オンライン授業によってほんの少し補う効果はあるのかなーとも思いました。
オンラインで課題をもらい、オンラインで提出
2つのプラットフォームで子どもたちは学ぶ
- Google Classroom
- カウンティの作ったClassroom
グーグル社で開発したClassroomというソフトには、ざっくり言えばこんな感じです。
- 使った教材を載せておく
- 宿題を載せる(期限などの情報も)
- 生徒はClassroomにアクセスして、宿題を手に入れる
- Classroomから直接宿題を提出する
Google Classroomとは別に、カウンティが開発したClassroomも、ほぼGoogle Classroomと同じような機能を持ってます。
これらの2つのプラットフォームは、新型コロナウイルス騒ぎになる以前から使われているもので、生徒たちもシステムに慣れています。
なので、先生方の生徒との連絡手段は、平常時とは大きく変わることはありませんでした。
素晴らしいと思うところ
授業っぽさが味わえる
学校には行けなくても、先生から授業を受けることで、良い刺激をもらっています。先生と対面で学習する機会があると、ちょっとは子どもたちの気持ちも引き締まる気がします。
先生やクラスメイトの様子が見える
先生の顔を見て、クラスメイトの顔を見て、子どもたちはなんとなく学校とのつながりを取り戻すことができているのかな?と私は感じました。
特に、先生や生徒がペットを見せ合っている場面は和やかでした。横から見ていてほほえましかった~。家だからこそ見える先生の顔が見えたりするのも、なかなか面白いかもしれません。
生活リズムを整えるために活用できる
オンライン授業は、日中に組まれています。今までの様子では、午前11時から午後4時くらいまでに設定されてました。
長期の休みでついつい夜型になりがちな子どもたちですが、オンライン授業があるからちゃんと昼間に起きていなければ!と、生活リズムを整える意欲のもとになってくれそうです。
既存のシステムで学習ができる
普段から学校で使っているGoogle Classroomやカウンティの作ったClassroomで学習できるので、生徒に混乱が起きずに済んでいる様子です。
もともと学校がオンラインシステムを使っていたので、こういう緊急場面に強かったように見えました。
難しいなぁと思うところ
授業時間を忘れがち!!
現在、まだ定期的に行われているわけではありません。
授業の日時を把握したと思っても、うっかり授業にアクセスするのを忘れてしまいがち…。
毎日決まった時間に決まった場所で行ってくれるなら忘れにくいでしょうけれど、不定期開催のものをきっちり把握しておくのって、私にはめっちゃ難易度高いです…。
もれなく授業に参加させること自体、かなり難しい…。
兄弟同時にオンライン授業になりがち!
兄弟がいる場合には、オンライン授業の時間が重なります。家庭にパソコンが足りない場合には学校から貸してもらえるので、機材がないという問題にはなりません。
でもお子さんが小さい場合には、設定したりアクセスの準備したりと、親が見ないと分かりにくいことも多々あります。
兄弟同時にオンライン授業になると、対応する親が困る場面も少なくないと思います。
そもそも情報あつめが大変!
オンライン授業はまだ軌道に乗っているわけではなく、授業実施については、先生方が個別に「4月○日 △時~オンライン授業です」と連絡をくれる状態です。
先生によって連絡手段が異なることが大きな問題。子どもたち宛てのメールだったり、私に直接メールをくれたり、どっちかのClassroomにお知らせされていたり、とまるでバラバラ。私は複数の場所を見て回ってやっと、誰の授業がいつ行われるのか、把握することができます。
そんな感じなので、見落としが出てきます。。。
親が取り組ませるには限度がある!!
うちの発達障害持ちの長女は、今現在、完全に学校への意欲をなくしています。
「私はもう学校の勉強はしない!決めた!」
と強い決意のもと、授業関係のものを拒絶しています。
そんな中、私が「課題がでてるよ。来週が締め切りだよ。」と声をかけたところで、伝わるわけがありません。
今までは、学校に行ってしまえば、娘は学校の流れに乗るしかありませんでした。しかし、家で学校と同じような流れを作り出すことはできません。親の監督で、子どもの課題をやり遂げさせることには限度があります。
「水を飲みたがらない馬を水辺に連れていくことはできる。でも、馬に無理やり水を飲ませることはできない。」
まさにそんな状況に陥っています。娘の高校卒業に必要な単位を取り逃すことは覚悟の上、娘と付き合っていくしかないと、私自身は腹をくくりました。
まとめ
以上、新型コロナウイルスの蔓延の影響から、アメリカの学校で実際に始まったオンラインラーニングについてまとめてみました。
今後、状況がどのようになっていくか、定期的に記録していく予定です。