洋書多読に取り組む日本人に人気のある作家、LOUIS SACHARさんの『SMALL STEPS』を読みました。
この本は、『HOLES』の続編です。HOLESに出てきたキャラクターのその後をのぞき見ることができました。
今回は、SMALL STEPSについて、感想などまとめます。
『SMALL STEPS』の概要
タイトル:SMALL STEPS
著者:LOUIS SACHAR
対象年齢:10歳以上
SMALL STEPSは、HOLESの続編です。HOLESもおすすめ図書です。
『SMALL STEPS』の難易度
3年前、HOLESを読んだ直後にSMALL STEPSを読み始めたのですが、その時のわたしには難しくて、途中で挫折してしまいました。当時はこの本を、HOLESより難しいと感じていました。
それから3年経ってあらためて読み始めたところ、あまり難しいと感じることなくどんどん読み進められました。
難易度は、多分HOLESと同程度か、多少SMALL STEPSの方が難しいのではないかと思います。最近読んだTHE GIVERやWONDERに比べても、やや読みにくいと感じました。
『SMALL STEPS』の感想
この物語の主人公は、Armpitです。犯罪を犯した少年の収容施設(Camp Green Lake)から出たのち、彼は働きながら高校に通い、真面目に生活を送っています。
そんな中、Camp Green Lakeで一緒に過ごした経験のある友人のX-Rayに、コンサートのチケット転売を持ち掛けられます。
その中でトラブルに巻き込まれ、コンサート会場では歌手のKairaと親しくなり…。
Armpitの人のよさと真面目さ・優しさに好感を持ちながら読み進めました。彼がトラブルに巻き込まれるたびにひやひやしたり、友人のGinnyとの温かい交流にほっこりしながら読みました。突然の恋にもびっくりでした。
ストーリーの初めに出てくる、社会復帰施設のカウンセラーの言葉がとても印象的でした。
「一歩一歩少しずつ、前に進みなさい。大きく一歩踏み出そうとすると、足元をすくわれますよ。」
これって本当にとても大切なことだと思います。この教えに従って着実に生きようとするArmpitを応援したい気持ちになりました。
全体として面白く読み進めたのですが、ちょっと話が都合よく作り込まれ過ぎていると感じてしまい、少し入り込みにくいとも思いました。まあSacharの作品はみな作り込みが強いのですが、この話はなぜかそれが他の話以上に気になってしまい、没頭しにくかったです。なんでだろう…。
アメリカで黒人の子が生きていく大変さがリアルに描かれている点は、興味深かったです。主人公が警察からひどい目にあわされている描写があり、「もし僕がブラックでなければこのような仕打ちを受けることはないだろう」という記述がされていました。最近ブラック・ライブズ・マター運動が注目を浴びていますが、アメリカで実際に起こる事件がリアルに感じられました。
まとめ
LOUIS SACHARの『SMALL STEPS』について、感想などをまとめてみました。もし興味があれば、読んでみてはいかがでしょうか?
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